底辺人間記録

底辺人間の行き場なき思考の肥溜め

物事は対処よりも把握が難しい

頭いいんだか悪いんだか分からないね…

人は頭がいいので大抵の物事に対処法を見出すことができる。色々な危機を予測し、それをどう解決したらいいのかと事前に考え備えておく能力がある。「こうなったらこうしよう」その流れが人間であるところの我々の得意技だ。この得意技を、しかし多くの場合で人はうまく活かすことができない。なぜなら人は、今何が起きているのかと把握する力の方は大いにポンコツだからだ。せっかく対処法は知っているのに、把握を失敗したせいで対処法の選択を間違える。物事の処理ミスの多くは初手の把握ミスなのだ。現実の見極めに関して、人間は本当に下手くそである。




焦りもあるしそもそも難しい

なぜそんなに下手くそなのかと言えば、まずは焦っているからだ。イレギュラーな事態はそう簡単には起きないと普段たかを括っているせいで、いざ目の前にするとすぐ頭が真っ白になって、何も考えられなくなる。「こうなったらこうする」と頭では覚えていても、起きるはずがないことが起きた!という驚きによって焦り、観察眼も思考力もガタ落ちし、全くそれが実践できないのである。二つ目はやはり現実の見極めそれ自体が人にとって難しいからだ。今起きていることは今起きていることであるが故に、世界に未だかつて起きたことはない。世界初の事態を自分の目と経験だけを頼りに正確に把握するなど、およそ専門家にとっても難易度は果てしなく高いはずである。




時間が許すならできる限り把握に費やす

事態の把握に時間をかけられるなら、かけられるだけかけた方がよい。それは全てにおいて一番の肝だからだ。ここを間違えてしまえば、後の全部の行動が無駄になる。いや無駄になるだけならまだいい。より事態を悪化させることも可能性として非常に大きい。慎重に正確に、常にその心構えを持っておきたい。時間をかけられない場合には、とにかく焦らないようにすることが大事である。まずは何ができるのかと選択肢を絞ること、そしてその中で最善を尽くすしかない。




自分どれだけ偏った見方しかできないのかを自覚する

世の中、多くのことはとても複雑でかつ全ては今この瞬間に初めて起きている。見極めるのはとても難しい。簡単に分かったと思った時には、大抵何かを見逃しているだけだと思っておいた方がいい。物事は繋がっている。事実を切り取るだけにしても、どこからどこまでを一つとするのか、それだけで色々大きく変わってくる。プラスして自分の考え方感情などの色眼鏡を通して見ることも人にとっては不可避なので、本当のところは何が起きているのか、我々にできるのはせいぜいその予想までなのである。とにかく現実は酷く難解だ。時間の猶予がある時にはぜひできるだけ物事を正確に把握してからその対処をしよう。