底辺人間記録

底辺人間の行き場なき思考の肥溜め

思考雑記

この世で最も兼用であり専用であるもの

言葉は兼用 前回に関連した話。この世で最も兼用であり、最も専用であるものは言葉だろう。言葉ほど多くの物事に用いられるものはなく、言葉ほど一つの物事を正確に表せられるものもない。だが言葉は必ず兼用だ。たった一つのものを表す専用であることは決し…

兼用と専用について

兼用と専用 兼用というのはとても便利なことだ。一つのもので二つ以上の物事に役立てるなんて、本当に素晴らしいという他ない。けれど、これは貧しさの象徴であったりもする。専用のものが持てないからこそ兼用でしのごうとするのだと、そう見ることもできる…

本気ということについて

1 本気というのは面白い概念で、それはいつも後から書き換えが可能である。あの時は本気だったとか、あの時は本気じゃなかったとか、どういう風に過去に読み込みたいかで、どちらにも解釈できるようになっている。「あの時はああ言ったが、口をついて出た言…

当事者について

当事者 「当事者」という言葉がある。その事に直接関係する者という意味の言葉だそうな。どうも近頃この言葉には、それだけではない意味が込められているような感じがする。なんというか「当事者が言っているのだから」となると、誰もそれ以上何かを言っては…

生きにくい世の中や人生があるのではない

1 この頃、生きにくい世の中だとか、生きにくい人生だとか、そういうフレーズをやたら見聞きする。これ、個人的には不思議である。だって、元々そういうものではないか。生きにくい世の中や人生があるのではなく、世の中や人生というものがそもそも生きにく…

お互いに努力をしてこそ正常に機能する言葉

1 「気持ちだけで嬉しいよ」という言葉がある。これは本当に難しい言葉だ。なぜなら、本当に気持ち「だけ」であるなら、およそ、その気持ちを感じとることは本人以外、誰にもできないからである。気持ちを相手に感じさせるためには、それに伴った行動が必要…

現実は甘くないという甘々な現実

1 人生で最も大切なことはつまるところ、自分の思う幸せや楽しさを壊さないこと、見失わないこと、手放さないことであると思う。それを犠牲にするような、それが分からなくなるような、そこから目を背き続けるような生活が、結局は自らを惨めにさせ、他者へ…

自分を愛すために世界を愛さなくちゃならない

1 人間が狂うのはいつだって自己愛が破壊された時である。自分の理想とする自分と現実の自分があまりに乖離した時、人はそれに耐えきれず理性を失う。理想の自分に近づくためのあらゆる努力を放棄し、理想の自分にしてくれない世界の方を恨み否定するように…

哲学は答えがないからこそ始まる

哲学の問 哲学の問には答えがない。だから多くの人にとってそれは無意味な活動に映る。いくら問うたところで分からないのだし、時間をかけても仕方がないだろうと思うわけである。答えを出すことだけに意味を見出すなら、哲学が無意味であるというのは、無論…

自分だけは大丈夫と信じながらもできることはしておこう

無根拠な信仰 どれだけ平和な国や時代においても事故や事件というのは毎日どこかで起きている。どれだけ医療や科学が発展していても、病気や障害などはやはりなくなるものではない。今、平穏と健康を持って生きられている人は、本人の意識や努力など以前に、…

自分と他人を分かつものは何もない

自虐的には生きたくない 他人を非難したり、蔑んだり、何かマイナスな態度をとることはなるべく避けたいと思う。他人と自分を分けるものはつまるところ、「現になぜかこの人が私だった」という事実だけであって、目の前にいるこの人も、職場でいつも会うあの…

普通と変

普通と変 世の中には普通の人と変な人がいるのではない。どんな人でも近づいてよくよく見ると、変に思えるポイントが出てきて、遠ざかっていけばいくほど普通に見えてくるだけである。それは見る距離と見る時間の長さによって大きく変わることであって、見ら…

それは本当に価値観なのか

1 価値観とは事実に対する個人の感性や考えである。それは必ず事実に根差していなければならず、もうしそうでないなら、幻想や妄想の類に含まれるだけである。りんごを美味しいと感じるかまずいと感じるかは個々人の価値観に他ならないが、りんごをトマトだ…

まずは同じ世界に生きなければならない

1 私達は同じ一つの世界に生きているようで、その実、全く異なる世界を各人がそれぞれに生きているだけである。視点がある一人の人間に固定されているのだから、これはある意味で当然な話だ。誰だって自分と呼ばれる人の内側しか覗けず、他人に対してはその…

自分の中にだけ吹く向かい風

1 人間には向かい風が必要である。向かい風がなければ、追い風がどんなにありがたいものなのかを実感できない。風がない状況の平穏さも忘れてしまう。向かい風が一切ない人生に、もはや自分はいない。向かい風に強く吹かれるからこそ、自分という存在がそこ…

不安とは仲良くしよう

1 漠然とした不安というのが人生にはある。何が原因かはっきりとは言えない、言えないのだけれどとにかく不安でたまらないという状態のことだ。この不安はもちろん容易にはとり除けない。いやそもそも根源的に取り除くのは無理だとさえ言える。なぜならその…

世の中そういうものだから

1 「世の中そういうものだから」という言葉、誰しも人生で一度は耳にしたことがあるのではないか。そういうものだから、仕方がないことなのよ、後に続く言葉はそんなところだろうか。しかし、よくよく考えてみると、世の中というのは常に移り変わってきた。…

配慮はする側の親切

1 配慮というのは、それをする側の親切と美学であって、される側の権利ではない。履き違えてはいけないところだと思う。そこに道徳を持ち込み、自分たちは配慮されなければならないと主張するのはとても醜いことであって、偏に人としての品性が欠けているの…

何もしていないから悪いということもある

1 「何もしていないから自分は悪くない」という言葉がある。何もしていないのだから自分は端的に関係がないといった意味なのだろう。何もしていないのだから、何も影響を及ぼすはずがない。それがどうなっていようとも、自分がやったのでないことだけは確か…

カテゴリーと個について

1 個人を初対面で理解するのは不可能だ。目の前の人が何をして欲しくて、何をされたくないのか。それを知るには実際に本人とコミュニケーションする他ない。そのコミュニケーションを簡単にする手段として、カテゴリーが存在する。カテゴリーがあれば、自分…

常に選択をしよう

1 人は毎日たくさんの物事を選ぶ。様々な基準で様々な物事を選び、自分自身の生活を送っている。どれが自分の好みか、どれが自分にとって都合がいいか、どれが自分の将来に役立つか、どれが自分の生涯の幸せに直結しているか。様々あれども、要するに全ては…

世界はもっと優しくなれるはずだ

1 世界はもっと優しくなれるはずだ。少なくとも優しくしたいのに様々な事情によって現実的に今はそれができない人、は一定数いるに違いないのだ。個人的にはそういう人達の優しさが制限されることなく、そのまま放出された世界の方がよりよいと考える。だっ…

意志による決定をしよう

1 何かに対しての反応を人は二種類持っている。一つは反射だ。それをされると咄嗟に自分でも意図せずしてしまうことである。もう一つは意志による決定。そうされたことをうけ、自分なりの基準と思考を経た後に返しをする。二つはグラデーションのようになっ…

個と種の非対称性

1 種にとって個は種を存続させていくための道具だ。反対に、個にとっての種も同様である。お互いがお互いを生かし、お互いがお互いを利用し合っている。種は個の経験の数だけ学習し、より生存の確率を上げる。そして、次なる個はその環境の中へと生まれてく…

したいからするへの集約

1 「しないと生きていけないからする」と「したいからする」の違いは、当然それをしなくても生きていけるかどうかだ。でも、本当にそれをしないと生きていけないということはたぶん人生においてあまりない。食べたり、飲んだり、眠ったり、人間の生を支えて…

戦いと棲み分けの末

1 私は常々他人を尊重したいと考えている。それは尊重できた方が自分にとって気持ちが良いからだ。尊重しないことは、ただその分の己の小ささを痛感するだけであって、個人的にはメリットが存在しない。だから、他人がどんな性質や特徴を持っていたとしても…

後悔と未練のない死を迎えるには

1 後悔のない死と未練のない死を迎えるには、それぞれ方法がある。どちらも同じことで即ち、それらの余地を潰すのである。後悔のない死の場合は、自分が生まれたことに焦点を当てることで、全てを偶然とし、どんな選択もその偶然の産物に過ぎないと捉えて、…

隣人から考える理不尽

1 新居に越してきて気づいたこと。隣人がくそうるせぇ。どうやら毎日夜中に熱唱するか、人と楽しく通話するのが趣味のようで、しきりに音楽の音と歌い声、高めの笑い声が聞こえてくる。こういう時のお役立ちアイテムとして、私はノイズキャンセリング機能搭…

言葉を自由に使うためには意味から自由にならないといけない

1 言葉というのものは自由には使えない。もちろん、どんな言葉を選ぶかは自分の自由だが、その意味は固定的である。既存の言葉には全て定義やその指定する範囲というものがあって、それを無視して自分勝手な意味で使っても、端的に用法を間違えているだけの…

世界の広げ方

1 世界の広げ方は大雑把に言って二種類ある。一つは自分の未知なものをどんどん仕入れることだ。ジグソーパズルで言えば新しいピースを自分の中に取り込む作業である。へーこんなピースもあるんだと知っていくことで、単純に量が蓄積されていくので、その分…