人生で思うことは二つだけ
早く死にたい、死ぬときに後悔したくない。人生で思うことは結局この二つに限られる。あとのものは全てその死ぬ時後悔しないために行われている。後悔というのは「最善の人生ではなかった」と思うことから生まれるので、とにかく私はその可能性を潰すことに毎日を費やす。今のところ潰し方としては色々あるのだが、どれも実践することがまぁ難儀である。例えば「いつでも死ぬのだという覚悟をしておく」とか、口で言うのは簡単であるけれど、未来予測と明日への期待は人間である限り備え付けの機能なので、これはほぼ実現が不可能と言える。明日を想像せざるを得ないのだから、いくら覚悟したところでこの世に未練を残すこと必至である。その他にも「私はそもそも存在しないと思うようにする」とか「毎瞬自己完結する」とか「後悔を後悔と思わない」とか様々なことを思いついているが、どれも思索を深めていくと必ず壁にぶち当たって、その実現不可能性を思い知らされる。
たぶん無理
そんなわけで、私は今のところ死ぬわけにはいかない。納得する死を迎えられるように必死に生きなくてはならない。別に全く進歩がないというわけではないのだ。少なくともそれがどう不可能なのか、不可能である原因がどこにあるのかを少しずつ知れているのだから、前進していると言っていいはずである。しかしだ、しかしどんなに進んだところで、やはり端的に後悔しないことはできないように思われる。そこに明確な根拠はないのだけど、直観として後悔と自分の結びつきが根源的であるために、後悔を残したくなくば死ぬしかないというなんとも本末転倒な結果しか待っていないような気がするのである。
無理と思うことも無理
だが、だからと言って「絶対に後悔を残してしまうのだ」ときっぱり諦めて悟れるような根拠もやはりないのである。神はまことに私をいたぶるのがお好きなようで、目指す道目指す道をことごとく打ち砕くくせに、諦めることも許してくれない。その間でのたうち回る私を見るのは楽しいですか？おん？
生があるから後悔が生まれるのだから後悔しないために生きるのは生きているために生きていることなんですよ私
しかし、後悔を残さない、そのためだけに生きている自分を自覚すると本当苦笑する。それ自体なんのために？と問わずにはいられない。納得する死のためだけに生きているこの生に如何なる価値がというのだろう。如何なる価値もないのである。分かっている、分かっているのだけど残念ながら私はそこまで賢くないので致し方なし。自分の思いを捨てられないおバカちゃんなので、死ぬまでこの茶番をやり続けるしかないのだ。これからもその全てを後悔しない生と死のために。
