底辺人間記録

底辺人間の行き場なき思考の肥溜め

世界の広げ方

1

世界の広げ方は大雑把に言って二種類ある。一つは自分の未知なものをどんどん仕入れることだ。ジグソーパズルで言えば新しいピースを自分の中に取り込む作業である。へーこんなピースもあるんだと知っていくことで、単純に量が蓄積されていくので、その分だけ世界の幅が広くなる。もう一つは自分の中に既にあるものの新しい組み合わせを試してみることだ。こちらもジグソーパズルで言うなら、あーでもないこーでもないとパズルを様々な位置に並べ替える作業である。並べ替えは意味を増やす。あれとこれには実はこんな繋がりがあったんだとか、このピースはここでピッタリに見えるけど、そう見えるだけど本当はここじゃないなとか。パズルの絵が出来上がっていく途中で色々な新しい意味を発見するので、その分だけ世界には奥行ができる。

 

 

2

幅だけを広げて、ピースがピース一欠片分以上の意味を持っていない状態というのは酷くもったいない。一つでも新しいピースを手に入れたのなら、それが、既に自分の中にあるピース達とどう繋げられるのかと考えてみるのが良いと思う。そのピースはどこに置かれるべきなのか、もしかして、今まで既に他のピースを置いていたところとか。そうすると、大掛かりな並べ替えが必要になるかもしれない。なんだ、あれは単に自分がそう思い込んでいただけか、などと気づく機会が与えられる。

 

 

3

もちろん逆に奥行だけを極めて、ピースを増やしていかないのも偏にもったいないことである。いくら極めたところで、新しいピースが一つ入るだけでガラッと変わってしまう可能性があるのだから、今まで行っていた全てが台無しになるかもしれない。やはり、二つの作業は常に同時進行していった方が良い。でないとどちらの行為も、真の価値を帯びてこない。

 

 

4

幅と奥行があるのなら、高さもあるのではと考えた。残念ながら、平面であるジグソーパズルではそれを例えられそうにないけれど、たぶんここでの高さは、見定める目なのだと思う。世界のある程度のピースも見てきた、そのピース同士の繋がりもある程度わかった、とすると、あと必要になってくるのは、じゃあ自分はその世界に対してどうするべきなのか、と考え決めることではないだろうか。それをしかと見定め、世界を貫くような座標を持つことが即ち、世界の高さを創りあげるそのことなのだろうと思う。幅、奥行、高さ。三つは常に三位一体であって、どれか一つだけでは端的に不十分だ。世界を広げたいのなら、体積を増やすようなイメージでやっていくのがベストかな。

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