底辺人間記録

底辺人間の行き場なき思考の肥溜め

言葉に他意はありません

1

相手に対する自分の心のうちをそのまま明かしただけのに、「優しいね」と評されることがある。そんな時、私はなんだかもどかしい。優しさじゃない、本当にそう思ったからそう言っただけだよと口にしたくなる。だが、実際にそう応じてみても、大概「慰め嬉しいよ」とはぐらかされて、結局は何も伝わっていないような気がする。優しさで思ってもない慰めを並べるくらいなら、最初から口を開いたりはしない。私はあなたを思ってそれを言ったのではなく、私の思っていたことが本当にそうであっただけなのだと、一体どうしたら伝わるのだろう。

 

 

2

自分の心から思ってるだけのただの「本当のこと」が、受け取り側によって、慰める言葉や褒め言葉、逆に傷つける言葉や貶し言葉に解釈されてしまうこの世のシステム、だるすぎませんか?しかもそれも全人類全場面共通で、特定のAという言葉が慰めになるとか傷つけることになるとか、そういうのではなくて、人によっても場面によっても、どの言葉がそう解釈されのか変わってくるの、本当にだるすぎませんか?こっちは本当のことを言っただけですよ?

 

 

3

この世ではあまりに意図が先にくる発話が多すぎる。だから、みんな敏感になっているのだと思う。このフレーズを言われた時はこの意図を表しているのだと、もうそういう風にしか言葉を受け取れない人が大勢いる。言葉の意味を、相手の意図と切り離して咀嚼するということが全然行われていない。例えば「なぜミスをしたか分かる?」と聞かれれば、もうほとんどの人は責められているのだとしか受けとれないようである。実際言葉にあるのはただの疑問で理由を聞かれているだけであるにも関わらず、そんな風に素直に言葉を解釈する人は、もう極わずかだろう。

 

 

 

4

個人にとって言葉は意図を表明するためのものであるが、言葉はまずその公共性が保たれなければならない。公共性があるからこそ、万人が言葉を使えお互いにコミュニケーションできるのだから、その公共性を損なうような使い方は端的に許してはならない。みんながそんな使い方を許しているから、私の言葉が相手に届かないんだ。いくら「本当に本当に本当のことなんだよ」とつけ加えたところで、相手はもう「慰めに気合入れすぎだろ」としか解釈してくれない。どうしてくれるんだ。私は私が本当に思っているということを伝えたいだけなのに「あ、慰めの意図だ」と勝手に先回りでそこにありもしない意図を察知されて、全ての言葉がその虚構の意図によってブロックされる。悲しいよ本当…。

 

 

5

うるさい。人様のせいにすんな。お前にコミュ力がないだけだろ。はいごめんなさい。

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